秋田県河辺郡河辺町(2005年の合併後は秋田市)を通る国道13号に存在した隧道である。
存在した、と過去形になっているのは2000年にすぐそばを通るバイパスが開通したのだが、バイパスの工事の際に埋め立ててしまったからだ。
つまり、バイパスを切通して作るための敷地内にあった隧道は邪魔になってしまったから壊してしまったのだそうだ。
なので、正確には「和田トンネル跡」であろう。
国道13号線は、秋田市から山形をぬけて福島市へ至る重要路線。国道として10番台の番号がふられていることからもその重要度はお解かりいただけると思う。
昭和36年竣工の和田トンネル、僅か全長100m。
年代相応の狭隘なので、昼夜を問わず交通量の多い国道13号線において、大きなボトルネックであった。
なにせ、前後にあった歩道もここで途切れるほどだったのだ。
そしてまた、地理的な条件や、その古さが想像させる過去の事故歴、最後まで無灯隧道であった事などが災いして、県内有数の心霊スポットとされてきた。
ここを夜自転車などで通る場合、灯りのない100mのトンネルを、『わざわざ車が来ないのを確認してから』突入しないといけない、という非常にやっかいな場所でもあったらしい。
見切りを間違ってトラックなどが来てしまった場合、物理的に死の危険を感じるほどなのだそうだ。
現在では先述の通り土砂により埋め立てられてしまっているが、霊の目撃談は絶えない、とのこと。
事故多発地帯であったことからの「事故者の霊」、竣工当時の工夫の死者の霊などが見られるとか。
ただし、こういった霊たち、元々の場所から離れた場所にまでわざわざ出張してくれているのが最大の疑問といえば疑問。
自縛霊とも浮遊霊ともつかない彼らは新世代を担う新しい幽霊なのかもしれない。
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