コカ・コーラに関する都市伝説


コカコーラに関する都市伝説は数多い。

 民間伝承(フォークロア)とひっかけて、コカコーラに関する都市伝説を諧謔的にコークロアと呼ぶ(ブルンヴァン等)。

多くの都市伝説が根も葉もない噂なのに対し、コカコーラの場合そのほとんどが部分的に真実を含むのが特徴である。

以下、代表的なコカコーラ伝説を解説する。


コカインの使用

コカ・コーラには中毒性があることから原料にコカインが使用されていると噂される。実は最初のコカ・コーラには、コカの葉が使われていた。後にコカインの危険性が世間に知られると、1903年アメリカはコカインの販売を禁止する。コカコーラ社は製法を替えざるを得なかったというのが真相である。現在ではコカコーラにコカインは含まれていないが、コカイン成分を除去したコカの葉(香料7x)が使われていると言われる。

だが、これは味覚の問題より、コカ・コーラの商標を守るためにコカの葉を使わざるをえなかった法的問題だとする説が有力である。従って「コカ・コーラにはコカインが入っている、だからスカッとする」というのはデマである。実は爽快感の正体は大量に含まれた糖分であり、コカインほどでないにせよ、健康に良くないことは留意しておく必要があるだろう。コカ・コーラ社の砂糖消費量は、実に全米消費量の10%に達するとも言われる。

歯・骨が溶ける

「コーラを飲むと歯や骨が溶ける」という都市伝説があるが、極論を好む一部の人が、抜けた歯をコーラに漬けっぱなしにして放置した実験の結果、抜けた歯が溶けていたもの。

酸性の溶液に漬けた炭酸カルシウムが溶けたというだけの現象であって、オレンジジュースでも同様の現象は起きる。但し、炭酸飲料はカルシウム吸収の妨げになるという指摘もあるため、やはり健康に良くないことには変わりはないだろう。コーラには酸味料として有機酸ではなく、燐酸が使われており、これが骨に悪影響を与える、という指摘もある。

「コーラを飲むと血液が酸性になり、骨が溶ける」とする都市伝説もあるが、これも間違いである。コーラの酸は前述の通り炭酸であり、炭酸よりも強力な酸である胃酸を消化液として利用している人類には何の問題もない。また、血液には緩衝作用があり、コーラを飲んだ程度では骨が溶けるほどのpH移動は起こりえない。仮に起こったとすれば骨が溶けるずっと前にアシドーシスとなり、昏睡状態や最悪の場合は心停止に至るなどをはじめ他の病症を発する危険性の方が高く、骨が溶ける心配をする以前の問題だといえる。

類似の都市伝説として「コカコーラ社のトラックのタンクから漏れたコーラ原液がアスファルトを溶かして地面に穴をあけた」というものがある。

殺精効果がある

コーラには殺精効果があり、避妊に用いられるという都市伝説もある。一応酸性の液体でY精子を殺すことは可能だが、X精子は殺せないので実用性はない。

コカ・コーラの瓶は女性のボディーラインを参考にした

コカ・コーラの独特の「くびれ」のある瓶は、女性のボディーライン、又は、この当時流行したスカートを参考にデザインされたものと言われているが、テレビ番組「がっちりマンデー!!」においてコカ・コーラ特集が放映された際に、この話は事実ではなく、実際はカカオ豆の形を参考にしたものであると説明された。

1900年代初めに発生した類似品対策として、一目見てすぐわかる、まねのできないデザインとして現在の特徴ある瓶の形になったという。

アメリカン・スポーツカーのひとつ、シボレー・コルベットの3代目(1970年代)モデルは、大胆に膨らんだ前後フェンダーとくびれたように見えるボディ中央部がコーラのビンを連想させたことからコークボトルというニックネームがある。

ちなみに、ヴァージン・コーラのペットボトルのデザインは、女優パメラ・アンダーソンのボディラインを模して作られている。

コカ・コーラには辛口と甘口がある

コカ・コーラのガラス製瓶には、側面下部に四角型または丸型のへこみが刻印されていた。刻印が四角型の瓶は炭酸の強い「辛口」であり、刻印が丸形の瓶は炭酸の弱い「甘口」であるとする都市伝説がかつて存在した。実際には、瓶の製造工場ごとに異なる刻印がなされていただけであり、コカ・コーラはリターナブル瓶であったため、ボトラーによる回収再使用過程において、刻印の異なる瓶が混ぜられて出荷されたものであった。

サンタクロースが赤い服を着ているのはコカコーラのCMが元祖

この都市伝説によれば、サンタクロースはもともとの伝承では白い服を着ていたのにコカ・コーラ社がCM(看板)で赤い色(=コカコーラの色)の服を着たサンタクロースを登場させてからサンタクロースは赤服ばかりになった事になっている。(ちなみに、コカコーラのカレンダーにもそうした記述がある。作者はニューヨーク出身の画家で故人)

しかしによれば、サンタクロースはもともと赤いマントを羽織っており、このマントが変化して赤い服になったのだという。

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