数人の学生がドライブに出かけた。
人気の無い山道に差し掛かった頃から、徐々にドライバーが危険な運転を行うようになる。
友人達は口々に抗議するが、なぜかドライバーは真っ青な顔で何も答えない。
それから暫くすると、ドライバーが震えるような声で
「なあ、俺達、友達だよな?」
「何があっても、見捨てたりしないよな?」
と聞いてきた。
友人達が
「当たり前だろ、どうかしたのか?」
と返答するとドライバーは自分の足元を指差す。
友人達が怪訝な顔で覗き込むと、車の床から突き出した青白い手首がドライバーの両足を握り締めているではないか。
驚いた友人達は悲鳴を上げて車から逃げ出したが、やはり気になって戻ってみると車もドライバーも消えていた。
当初は見捨てたことを怒って一人で帰ってしまったものと考えていたが、それ以来ドライバーは行方不明になってしまった。
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