基本的には鮫島事件は架空の事件であり、その存在自体がジョークであったと解釈されている。
つまり鮫島事件なるものは存在せず、発端となる自作自演以降にも追加されていったもっともらしい情報も、ジョークを面白がった者たちによって創作され付け加えられた内容ということになる。
この事件をジョークとする観点からは、鮫島事件とは「ウェブ上のハイパーリアリティの自走に自覚的な人たちが共犯となって、ハイパーリアリティを自分たちで構築していくゲーム」、「リテラシーを共有するためのネタ」、「互いのリテラシーを確認し合い、高め合うゲーム」であるとされる。
鮫島事件というジョークが定着した理由に、掲示板という顔の見えない文字だけのコミュニケーションであること、当時の2ちゃんねるは現在よりもアングラ色が強かったため、実際に事件が起こっていても不思議ではなかったこと、スレッドの参加者によって柏駅・立命館などの実在の固有名詞が次々と追加されていったことなどが考えられる。
また、当時の2ちゃんねるは洒落や酔狂を好む気風が強かったことや、テレホーダイを利用する深夜の利用者が多かったことも、怖い作り話を歓迎する背景に繋がったという意見もある。
2ちゃんねるの初代管理人である西村博之の言葉として、「嘘は嘘であると見抜ける人でないと(掲示板を使うのは)難しい」というものが知られている。
「鮫島事件」が実態不明の事件であるにもかかわらず、その後も時折思い出した様に言及され、「それだけはやばい」という反応が書き込まれるのは、2ちゃんねるに書き込まれた情報は、とりあえずは嘘として疑ってかからなければならない事と、事の真偽を読み手自身が検証しなければならない事、そして、それが不可能な場合は、真偽の判断は保留したままで、ネタをネタとして楽しむ事が求められているという事を端的に示している。
なお嘘の情報が書き込まれることは2ちゃんねるに限らず、不特定多数が書き込む事ができるウェブサイトにおいては(サイトの主旨にもよるが)普通に存在する。
なお発端となるスレッドが立ち、数千もの発言が交わされてから数日後、ラウンジ板にはそのスレッドを立てた張本人を名乗る者が現れ、鮫島事件について知っている口ぶりで発端となるスレッドを立てた人物>>1と、同スレッドで鮫島事件について執拗に質問を繰り返すレス番号>>16が同一のID(識別子)であることを指摘し、これは自分が発想したジョークであり、序盤の>>1番から>>30番までの書き込みの多くは自分の自作自演であると説明している。
指摘を行った人物が発端のスレッドを立てた人物と同一人物であることを証明するものは何もないが、発端のスレッドを立てた人物>>1とそのスレッドの質問者>>16のIDが一致していることは、両者の書き込みが同一IPアドレスからのものである可能性を示しており(詳細は「2ちゃんねる#「名無し」の存在」を参照)、自作自演である可能性を裏付ける。
発端となるスレッドを立てた張本人を名乗る者によって、事件がジョークであると宣言された後も、この噂は収束せず、鮫島事件は語り継がれ、
真偽の定かではない様々な情報が追加され続けている。
2ちゃんねる掲示板の仕様上、異なるIPアドレスからの書き込みであっても偶然にIDが被ることは少なくなく、また、本当に事件が「2ちゃんの影の部分」であり、2ちゃんねるの運営や公安警察が絡んでいるのであれば、IDを操作したり、ログを改竄したりすることも可能である。
鮫島事件の噂が広まりネタとして定着したのは、その事件が存在しないことを証明することは悪魔の証明であり、誰にもそれを成し遂げる事はできないことが理由でもある。
それと同時に、その事件の内容については様々な噂や憶測が入り乱れ、不明瞭なままとなっている。
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