山羊の呪い


この球場は「山羊(ヤギ)の呪い(ビリー・ゴートの呪い)」でも知られている。

カブスがワールドシリーズ出場を果たした1945年、タイガースを相手に2勝1敗として4戦目を迎えた10月6日のことだった。

地元シカゴのバー、ビリー・ゴート・タバーン(Billy Goat Tavern)のオーナーを勤めるビリー・サイアニス(William "Billy" Sianis, 1900年代初頭 - 1970年10月22日)はカブスのファン。

マーフィーという名の山羊を飼っており、いつも一緒に応援に出かけていた。

彼はいつもマーフィーの分のチケットまで買うほどだった。

しかし、シリーズ4戦目のこの日、カブス関係者が今まで問題にしていなかったマーフィーの入場を拒否した。

理由はマーフィーの臭いだった。

これに激怒したビリーは

「2度とこのリグレー・フィールドでワールドシリーズがプレーされることはないだろう」

と言い放って球場を後にした。

カブスはこの試合から3連敗を喫してワールドチャンピオンを逃すと、それ以降リーグ優勝・ワールドシリーズ出場を果たせないでいる。

1972年と1983年にはビリーの甥のサムが再び山羊を連れて球場へ観戦しに行ったのだが、ここでも入場を断られ、直後にカブスがリーグ首位から陥落した。

2003年のナショナルリーグ・リーグチャンピオンシップシリーズ(マーリンズ戦)でカブスは、3勝2敗で迎えた第6戦もリードし、あとアウト5つでナ・リーグ優勝とワールドシリーズ出場が決まる場面まで来た。

しかし相手選手が放ったファウルフライをカブスファンの妨害がきっかけで落球。

捕れたはずのアウトを1個損したカブスは、ここからマーリンズに逆転されて第6戦を落とすと、続く第7戦にも敗れ、ワールドシリーズ出場をまたも逃した。

このときもこの呪いが話題となったが、この試合もリグレー・フィールドで開催されたのは皮肉な運命である。

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