口裂け女



マスクをした若い女性が、学校帰りの子供に「わたし、きれい?」と訊ねてくる。「きれい」と答えると、「……これでも……?」と言いながらマスクを外す。するとその口は耳元まで大きく裂けていた、というもの。「きれいじゃない」と答えると鎌や鋏で斬り殺される。

宝暦4年(1754年)に美濃国郡上藩(現・岐阜県郡上市八幡町)での農民一揆の後に処罰された多くの農民の怨念が、

特に犠牲者の多かった白鳥村(現・郡上市)に今なお残っているといわれ、これがいつしか妖怪伝説となって近辺に伝播し、時を経て口裂け女に姿を変えた。

また明治時代中期、滋賀県信楽に実在したおつやという女性が、恋人に会うために山を隔てた町へ行く際、

女の独り身で山道を行くのは物騒なので、白装束に白粉を塗り、頭は髪を乱して蝋燭を立て、三日月型に切った人参を咥え、手に鎌を持って峠を越えたといい、これが口裂け女とも言われる。

同様に岐阜県でも、明治または大正時代に女性が同様の姿で峠を越えて恋人のもとへ通ったという話がある。

その正体が精神病院からの脱走者として語られており、

1970年代に大垣市で座敷牢に閉じ込められていた精神病女性が夜ごとに外出し、

精神に異常を来たしているために口紅を顔の下半分に塗りたくり、それを見た人が驚いたという話や、

多治見市の著名な心霊スポットのトンネルで精神病の女性が徘徊して子供を脅かしていたという話が元になったといわれる。

岐阜県で1968年8月18日に発生した飛騨川バス転落事故現場の川から白骨化した頭蓋骨が発見され、

それを復顔したところ口が耳まで裂けており、口裂け女はその亡霊だとも。

雪の夜にマスクをした3人の女性が家を訪ね、「誰が一番きれい?」と聞き、

1人を選ぶとほかの2人に殺され、マスクをはずすと3人とも口が裂けていた、という話もある。

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